解体により排水部分が詰まり、地面が水浸しに。
解体作業にも様々な計算が必要なんですね。
解体部分から繋がって来た此処は、おそらく製品や資材の倉庫。
もしくは梱包などの軽作業場ではないでしょうか。
このローラーコンベアとエレベーターを使って、
外箱に梱包された製品を流していたものと思われます
ダクトのようなものの中には、大量の紙粉。
紙粉は吸い込むと鼻の中が真っ白になるそうです…。
文章の内容は納得いくものですが、
工場内より外に向けて掲示しないと効果は薄いのでは?
おそらく食堂と思われるスペースは既に空っぽ。
そのほか社屋内に目立った残留物は見当たりませんでした。
一階玄関部からは向かいにある別の製紙会社が見えます。
そこの従業員は、どんな思いで同業者の末路を眺めているのか…。
社屋部分はまだ新しく再利用できそうなのですが、
結局のちに工場部分と共に解体され更地と化してしまいました。
製紙工場の廃墟としては、比較的小粒な物件。
ただし解体中という点で他に無い雰囲気が味わえたことは、
けがの功名だったのかも知れません。
此の工場は、古新聞などの古紙から造られた
再生紙でトイレットペーパー等を製造していました。
市内にひしめく製紙工場のなかでも、このイ○ヒコ製紙は
古紙の再生技術には定評があったと言われています。
何故このような有益な会社が経営破綻に至ったのか…。
中堅どころが次々に大手への吸収合併を行い
再編真っ只中、激動の製紙業界の中で
波に乗り遅れたのが実状だと思われます。
紙の再生…リサイクルに情熱を燃やしていた会社が
解体されて大量の廃棄物と化したのは、
もはや皮肉としか言い様がありません。