荒れている中でも、手術台は残されていました。
成るべくなら乗りたくない物の一つ。
少しでも雨が入り込むと、畳の寿命は簡単に終了です。
平屋建てにしては規模が小さいと思っていたら、
実は奥にもう一棟ありましたというオチ。
厨房の規模から、病床数も其れなりと推測されます。
晩年の稼働率は如何程のものだったのか…。
まるで神奈川の某病院のような光景です。
人が造ったものを人が破壊する、これも一つの理。
雰囲気の受け取り方は人其々ですが、
ノスタルジーを感じるのが難しい物件と言えます。
続き間となった壁から吹き抜ける風は、
破壊から生み出された産物なのか。
手摺を見て此処が病院である事を思い出す。
あまり病院に縁の無い私は、どうも実感が薄く
残念ながら恐怖を感じる事は出来なかった…。
何の変哲もない丘に突如出現する廃病院。
心霊スポットとしての立地は良く、多くの人が訪れる中で
人為的破壊も進んでいったものと推測されます。
現役時代の営業実績や科目などの手掛かりは無く、
廃墟としての年齢も良く分かっていません。
廃病院は、ほぼ間違いなく心霊スポットと見なされます。
人の生死に関わる場所という点と、独特の重い雰囲気が
多くの人の心を惑わせるのでしょう。
物件として、被写体として、そんな捉え方しか出来ない私は
もう普通の感性には戻れないのでしょうか…。