壁に沿って設置されているのは何でしょうか?
コンベアのような、流し台のような…。
なだらかな曲線を描いているレール。
場内のあちこちに張り巡らされていました。
ちょっと広めな此の場所は、搬入された生体を
一時待機させておく所だと思われます。
ヨロイ牛とは畜産用語で、糞便が体表について
鎧状になった牛の事らしいです。
ここは、いわば家畜達にとっての最終ゲート…。
命のやりとりがあった場所というのは、
どうしても重たい雰囲気を感じてしまいます。
よく見ると、こんな所にコケシが…。
何か深い意味を感じずには居られません。
場内から外に出てみると、そこには清々しい青空が。
生きるって素晴らしい事なんですね。
敷地の片隅には家畜達の慰霊碑が在ります。
私はそっと手を合わせて…その場を後にしました。
廃墟訪問の利点の一つとして、普段見れない所を
見る事が出来るという点があります。
鉱山の坑道や旅館の舞台裏、病院のナースステーションなど…。
そういった意味で此の物件は貴重なものであり、
今更ながらに食と生を考える良い機会となりました。
感謝の心、忘れないようにしたいと思います。