扉の奥の部屋を囲むように通路が一周しています。
先程のテーブル以外、残留物は有りませんでした。
この手の扉を見る事など殆ど無いので、
鍵の形式がイマイチ良く分かりません。
ダメ元で扉を引いたら…、開いてしまいました。
目の前には謎の紋章と銀色の箱があります。
空間が異質すぎて、なんだか怖い…。
見たところ宗教が絡んでいそうな印象ですが、
モザイクの部分に物件のヒントが隠されていました。
この箱は鉄の塊なので、恐ろしく重いです。
蓋の上にアイボルトが付いているところを見ると、
おそらくクレーンで此の場所に設置したものと思われます。
箱の中身は予想通り空っぽでした。
頑丈な扉に頑丈な箱、一体何が入っていたのでしょうか…。
ひっくり返った椅子が妙な雰囲気を加速させます。
この密閉空間で、どんな人が椅子に座り…何を思うのか?
内部は殆ど暗闇の為、地上の光が眩しく映ります。
それにしても此の物件は謎が多い…。
此処は小規模な物件とはいえ、内部の緊張感は
これまでに味わった事の無いものでした。
既に他の方が訪れている物件ならば、緊張も少ないのですが…。
何の情報も無い状態で、あの光景は洒落になりません。
後の調査によると、どうやら例の謎の碑は
某企業が設置したものということが判明しました。
その企業は既に経営が破綻しており、それに伴なって
この碑も放置されたものと思われます。
ちなみに地下室の詳細ですが、どうもそこには
タイムカプセルが置かれていたようです。
カプセルの中身までは知り及びませんが、
コンクリートの壁に厚いドア2枚と鉄製の箱、
密封を保つ空間と考えれば納得できます。
結局は、設置後わずか数年で開かれてしまった訳ですが…。