2004/冬etc 訪問



富士山と松と廃GS


バイパスの開通により交通量の減少した旧国道。

そういった所には、かなりの確率で廃墟が存在しています。

当物件も、御多分に漏れずと言った訳で…。



富士山と松が同時に臨める、東海道の中でも指折りで

景観が良い場所なのですが、其処にまさか廃墟が写りこもうとは。

没個性になりがちな廃GSとしては、逆に良いアクセントとも言えます。



松林の向こうは直ぐに海と言う立地ですが、

この辺りの海は急深で遊泳には適していません。

GSとしては、純粋に国道としての交通量が頼りだったという事。



廃墟における植物の生命力には毎度驚かされています。

アスファルトから松が生える様も、またしかり。




廃墟としての味に欠けると良く言われる廃GSも、

ここまで熟成すると流石に無視できません。




内部ががらんどうなのは、年月の経過から致し方なし。

撮影時は冬でしたが、暖かい日差しが降り注いでいました。




奥の小部屋には僅かながらも残留物がチラホラ。

幾多の挑戦も跳ね退けてきた、金庫の中身や果たして如何に。




長い年月を経た中でも、御札は未だに其の容を保っています。

ただし、肝心の効果については疑問符が残るところ。




針の止まった時計は、廃墟を具現化するアイテムの一つ。





青空と富士山を背景に、松を脇に添えて静かに佇む廃GS…。

豪華な演出陣を従えながら、肝心の物件が小粒なところに、

却って廃墟らしい混沌感を感じる今日この頃です。





パチンコ屋と並んで、数が多い割につまらないと

評される事の多い、ガソリンスタンドの廃墟です。

ただし当物件は、良く熟していた点と景観に特徴が見られた点から

今回、掲載物件として取り上げてみました。


GSは基本的に交通量の有る道路沿いに存在している為、

廃墟となっても転用や解体される事が多く、

今回のような状態にまで荒廃する例は、比較的レアなケースです。

推定される廃墟年齢は、少なくとも20年以上と予想。


廃墟となった理由には、前述の交通量減少も有りますが、

付近に健在のGSが見られる事から、競争の敗北も考えられ、

トータルとして資金繰りの悪化が原因ではないかと推測されます。


森の中の廃洋館しかり、崖の上の廃旅館しかり、

背景と同調している廃墟って、割と多いですね。

ただし、住宅街の中の廃病院であるとか

長閑な風景の中に在る廃ラブホだとか、

逆に背景から浮いている廃墟も少なくありません。

どちらにも違った趣があって、これは甲乙付けがたい所です。

何にせよ、背景も廃墟を構成する要素の一つなので、

廃墟同様に注目していきたいと思います。




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