2008/春 訪問
ホテル 箱○路
定期的に供給されるホテル廃墟、その数は増えるばかり。
今回のホテルは、廃墟としての年月が浅く見所も少ないのですが、
色々と後に有名に成ってしまった、訳有り物件です。
うら寂しい峠道に突如として現れる、色彩豊かな建物。
郊外型のホテルとして定番の佇まいと言えますね。
様式は、年々姿を消しつつあるコテージタイプ。
利用客のプライバシーが守られる利点は有りますが、
土地を広く取る必要がある為、都会では難しい形です。
管理人室は、薄らと埃が積もっている程度。
雰囲気や匂いは完全に廃墟のそれと言えますが…。
瓦屋根の日本的家屋という定番に比べると、
幾らか垢抜けたデザインの各棟。
肝心の内部は、思ったより普通の設備でした。
状態も綺麗すぎるので写欲が湧きません。
お風呂も、色使い以外はごく一般的な形です。
他の棟についても似たようなものでした。
備え付けの飲食物は、大抵がボッタクリ価格。
お茶が2本400円とか、静岡県民として許し難いレベル。
カラオケ無料は良いのですが、いざ歌う為には
曲ナンバーをフロントにリクエストする必要があります。
もう少し効率の良いシステムに出来なかったのか…。
残念ながら廃墟としての見所は見当たらず。
のんびりと熟成を待つ事にしましょう。
そんな訳で、ありがちなホテル廃墟でした。
料金は、休憩3500円・宿泊6800円からと成ります。
国道と隣接する立地は悪くないのですが、
いかにせん肝心の施設が魅力に乏しい…。
外観の古臭さも客が敬遠したくなるレベルで、
閉鎖という結果も至仕方なしといった所です。
何の変哲もないホテル廃墟も、時間の経過と共に
心霊スポットと噂されるようになりました。
周辺で車内自殺が起きた他、敷地内の画像が
某掲示板にアップされる等の実績を重ね、
建物の一部から火が出るなど、
人為的な荒廃も急速に進んでいきました。
挙句は、殺人現場の舞台となって報道され…、
その後すぐに解体されました。
此の物件は、噂に実績が追いつくという珍しい例です。
むしろ噂が実績を呼び込んだのかも知れません。
全国他にも心霊の噂が立つ物件は多々有りますが、
同様な事件・事故が起きない事を願うばかりです。