2006/冬 訪問



石材加工工場


今回訪ねたのは、小さくてみすぼらしい廃工場。

こういった重箱の隅を突いていくのも

廃墟探索の醍醐味の一つと言えるでしょう。


中を覗くと早速大きな工作機械を発見。

どうやら石材加工の機械らしいのですが…。



現役時代は大音響が響いていたであろう空間も、

今聞こえるのは外を走る車の走行音のみ。



突如現れた石像達に驚かされます。

出来は悪くはありませんが、細部が少し甘いような。



粉っぽい空気と機械油の匂い…。

廃墟となった今でも感じ取る事が出来ました。



敷地内には同じような建物がもう一つ。

石材が山積み状態で、今崩れたら私の人生は終了です。



先程の建物よりも内部は全般的に新しく、

再利用は十分に可能ではないでしょうか。



当物件の主要製造品目であるレリーフ。

この微妙な絵柄のレリーフを、一体何処で使うのか…。



型枠製造は手間が少なく出来も安定していますが、

細部の表現力が今イチ物足りないところ。



残された型枠はまるで抜け殻のよう。

ここから命が吹き込まれる事は、もう有りません。




廃墟だと分かっていた筈ですが、

規模が小さすぎて逆に見逃していた物件。

小粒な物件でもピリリと辛いという良い見本です。

廃墟年齢は推定で5〜10年といった所でしょうか…。


7枚目の写真の奥側に何やら黄色いものが写っていますが、

訪問の際に其処で眠っている浮浪者さんを目撃してしまいました。

鼾が聞こえたので良かったのですが、

もし動かない人だったらと思うと…ぞっとします。

結局私は其の場を静かに立ち去り、探索を取り止めました。

廃墟では予測しないトラブルが起こり得る為、

訪問する側としても未然に防ぐ努力が必要ですね…。




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