2004/冬etc 訪問
○原の廃農場2
広大な牧草地帯が広がっている、○原地区。
当地区に存在する廃農場を以前レポートしましたが、
実は廃農場は他にも複数存在しているのです。
今回レポートする物件は車道から良く見えるので、
無意識のうちに目にしている人は多いかも知れません。
農場の主役は家畜たちであり、人の為の空間は
雀の涙ほどしか存在していませんでした。
何やら赤い物体が大量にぶら下がっている畜舎内部。
電線が接続されているので、恐らく照明設備でしょうか。
敷地内には他にも崩壊間近の建物が見受けられます。
小粒ながら、廃墟然としていて良い感じ。
この建物は他に比べて割としっかりした構造ですが…、
内部の乱雑ぶりを見るにつけ、やっぱり廃墟です。
豚か牛か、それとも馬か、此処には何らかの家畜が
飼育されていたものと思われます。
もはや動くことは無いであろうリヤカー。
干草などを積み、草原を駆け回っていた事でしょう。
広原の中に、ポツンと小さな廃農場。
巨大工場廃墟など分かり易い廃れに目が向きがちですが、
小さな廃れに残影を追うのも良いものです。
よく通る車道の脇にある此の物件ですが、
かなり昔から廃墟だったような気がします。
ただ農場は現役でも廃墟に見えるような物が多い…。
断定出来ませんが、廃墟年齢は10年以上といった所でしょう。
最近では飼料費や燃料費の高騰が経営を圧迫し、
そして此の物件が廃墟化した理由は後継者不足でしょうか…。
とにかく厳しいと言われる牧畜業界の昨今。
今後も廃業は増加していくものと思われますが、
食料自給率の低い現在の日本において
決して欠く事の出来ない業界なのです。
牧畜業界の苦悩を、行政や消費者側は
もう少し理解する必要が有りそうですね…。