2009/冬 訪問



未成ゴルフ場に架かる廃橋


千葉県内の某ダム湖周辺において、計画されながらも

未成に終わったゴルフ場があり、そこに到る橋が放棄されているという。

この道で本当に大丈夫なのか、とにかく先へ進むべし。



荒れた道を更に進むこと数分で、突如目の前の視界が開ける。

これが件の廃橋なのか…、もう少し近付いてみる事に。




コンクリート製の頑丈な橋かと思いきや、よもやの鉄骨仕様。

その先のゴルフ場を造成する為の、いわゆる仮設橋って奴ですね。




足元がスケルトンにつき、一歩間違えれば墜落の憂き目。

渡り始めならまだしも、中ほどで足を滑らせたら一体どうなるか…。




ダンプカーの往来にも十分耐え得る設計の筈ですが、

まさか長期にわたっての放置とは、完全に予想外の展開。




せっかくなので、廃橋の全体像も確認しておきたいところ。

道なき斜面を滑るように下る、頭上と言うより足元に注意。




緑の塗装は色褪せ、所々の赤錆も年月の経過を物語る。

紅葉する草木とのマッチングが絶妙という、嬉しい誤算。




静岡の鉄骨マンションを思い起こさせるような光景。

あちらは早々に鉄骨のみ取り払われてしまいましたが、

果たして此の廃橋は、今後どういう運命を辿る事になるのだろうか。



やっぱり橋は下からのアオリ構図で見た方が良いですね。

鉄骨が青空を透かしているせいか、通常の廃墟で感じるような

陰湿さや物悲しさが薄いのは、評価が分かれるところ。



橋脚付近はダム湖の一部なのか、谷川なのか、湿地帯なのか、

判断に悩むところですが、青空が無いぶん廃色強めで良い雰囲気。

時間を忘れて何時までも佇んでいたい…、そんな素敵な場所でした。




冒頭にも有る通り、この廃橋はダム湖の端を渡って対岸に

ゴルフ場を造成する為に造られた、工事用の仮設橋です。

そもそもゴルフ場の造成が未成となったのが、廃橋となった原因であり、

では何故未成となったのかは、詳しく分かりません。

単純に運営会社の資金ショートが原因ではないかと考えられ、

また千葉にはゴルフ場が多数存在する上に、当所は立地も悪いため、

その後の再利用もされず、このような状況に到ったのでしょう。


この廃橋の訪問時での廃墟年齢は、草木の状態を見た限り

およそ10〜15年といった所ではないかと思いますが…。

山林の風景に意外にも溶け込んでいる姿が魅力の一つであり、

また周囲の静かな環境も含めて、個人的に印象深い物件でした。


噂によると、この廃橋は現在再利用され、未成ゴルフ場跡地は

別荘地なのか太陽光発電所なのか、こちらも工事再開中とのこと。

近頃は景気が上向きとの事で、私の様な者には実感が湧きませんが、

意外な所で財布の紐が緩んでいる、そんな気がする今日この頃でした。




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