朝を迎えると同時に到着したのが此の物件。

凛とした朝の空気には似合わない廃景です。

管理人室が荒れているのは廃ホテルの常ですが、

此処は寧ろ自然による崩壊が目立ちます。

ホテル名から和風な建物かと思えば、まさかの南欧風…。

こういった混沌ぶりこそ正に廃ホテルの醍醐味。

更に内部を見れば、下品で淫靡な色合いの空間が。

この部屋に洒落やクールといった単語は存在しません。

お風呂は下手すると一般家庭より小さいレベル。

部屋も含めて、もう少し広くできないものか。

街中に近い物件では、浮浪者との遭遇率も上がります。

雰囲気を感じたら退散するよう心掛けていますが…。

備品の撤去跡や人為的破壊が目立つ室内。

自然劣化自体は少ないだけに、勿体無い話です。

南欧風建物の反対側にも別棟が有ります。

通りから見えないのを良い事に、造りは相当な安っぽさ。

こちらの建物は後から増設したようで、

ベッドルームも幾らか垢抜けた感じ。

ただし、室内空間は輪をかけて狭くなった…。

晩年は値下げなり何なりの営業努力をしたものの、

陳腐な設備と微妙な立地は変わる事が無く

この物件も其のうちの一つと言えるでしょう。

古臭い内装以外に此れといった特徴は有りません。

敷地の荒れ具合が少ない所を見るに、営業はしていなくても

近年まで管理されていたものと思われます。

心霊の噂も取り沙汰されている物件ですが、

やはり私には何も感じる事が出来ませんでした。