??? 訪問
静かに眠る昭和の名建築
小鳥さえずる林間の道、その先に見えてきた建物。
周囲の自然風景に良く調和した、モダンな外観です。
赤茶色の煉瓦に彩られた建物や階段は、一見すると派手なようで
違和感や嫌味といったものが、全く感じられません。
私の様な素人でも、名のある建築物である事が容易に窺えます。
煉瓦と言う素材は得てして懐古的な雰囲気になりがちですが、
スクエアな立方体を組み合わせたデザインにより、
現代的な洗練された雰囲気を醸し出しています。
自分を中心とした270度近くの視界が、全て赤茶色の建物。
非日常的な光景に、異次元へトリップしたかの様な感覚を覚える。
本来の役割を失った当物件ですが、映画やPVなど
各種撮影の背景素材としては、十分に活躍出来そう。
ただし其の為には、ある程度のメンテナンスが必要になる訳で。
凍害によるひび割れ、雑草の侵食、白華現象etc…、敵は数多い。
旗の無いポールは、廃墟における寂しさの象徴の様なもの。
現役時代を想像して、脳内でエア旗を揚げてみるのもまた良し。
これだけの規模の建物の割に、玄関口は控えめな大きさ。
そう言えば、全体的に見ても窓やドアの数は少なく、
極力目立たせない設計思想だったのかも知れません。
赤茶と黒と緑に支配された世界では、白が余計に目立つ。
今度は雪の積もった時期に、是非とも訪れてみたいものです。
このままでは外観だけで記事が埋まってしまう為、
そろそろ内部の記事に移りたいと思います。
フロント周辺は、想像以上に劣化が進んでいる様で…。