メイクルームを備えている事から、当旅館が結婚式等の

催事にも良く利用されていた事が分かります。




漢字とハングルを交えたアジアンテイストなメッセージですが、

一体誰に対して何を伝えたいのか…、そもそも此処に貼る意味は有るのか。




旅館の規模から見ても、結構な広さを誇る大広間。

晩年の稼働率は如何ほどだったのやら…。




付近の山や湖沼等を部屋名に使用するのは良いですね。

「大広間1」等とされるより覚えやすいし、親しみも湧きますし。




上階には、同等の広さを持つ洋風の宴会場も備えています。

豪華絢爛な天井飾りですが、照明が無ければ引き立たず

今となっては只の落下危険物でしか有りません。



宴会場の舞台にて、隠れ棲まわしき人の痕跡を発見。

不在のようですが、何処で鉢合わせするかも分からないので

早々に退散する事に致しましょうか。



廃墟と化した物件に対して、余りにも皮肉な御言葉。

まあ幸せの感じ方なんて、人それぞれですから…。




窓無しルームにつき、暗めの第3宴会場で御座います。

比較的綺麗な当物件の中で、最も廃墟らしい場所。




陽も傾いてしまったし、そろそろ家路に就かないと。

さて、ここから静岡までどうやって帰ろうか…。





街の中心部に近い川っぺりに建っている廃旅館です。

観光拠点やビジネス客目当ての宿泊施設ではなく、

結婚式等の催事と其の宿泊客をターゲットとした、シティホテル的な様相です。

宴会場の数と規模から見ても、催事メインの旅館である事が想像できます。


廃墟としては、客室等の一部施設が解体されていた点と

全体として荒廃が少なかった点で、物足りなさが残りました。

廃墟年齢は、8〜12年程度と予想します。


各地を巡る中で、観光地に属する旅館のみならず、

都市部の旅館においても、廃墟化している物件が時折見受けられます。

特に当物件のような、結婚式等のイベント客がメインの旅館は、

近年になって、多く廃業に追い込まれているとか。

逆に、負のイベントが行われる葬儀場の廃墟を見かけた事は、

此れまでの探索経験の中でも、殆ど記憶にありません。

葬儀場は、むしろ現在でも新設されているのを良く見掛けます。


景気の低迷、出生率・婚姻率の低下、高齢化社会。

今の日本の抱える諸問題が、一つの廃墟を通して

透かして見えた様な、そんな気がして…。




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