2010/夏 訪問
三○自動車教習所
ここは新潟、長閑な穀倉地帯が広がる中で
微妙な違和感を見つけ、車を停めた次第です。
情報によると此処は其の昔、自動車教習所であったという。
教習所と言うと、街中や駅前に多いイメージですが…。
街どころか民家すら碌に見当たりません。
敷地内の建物については、この一棟のみ。
いくら何でも規模が小さすぎるような…。
他の建物は解体されてしまったのでしょうか。
規模は小さいのですが、教習所的な雰囲気は有り。
まさか、この一棟で受付・事務・学習を全てこなしていたのか。
建物を後にして、次は教習コースを辿ります。
前日の雨を受けた緑が、ズボンの裾を濡らしてゆく…。
これはS字なのか、はたまたクランクなのか。
多くの教習生を脱輪へ誘う、悪魔の通り道。
教習コースのメインと言えば、やっぱり交差点ですね。
残された信号機が、シュールな虚しさを演出しています。
無人の交差点を静かに見守り続ける信号機…。
赤と青は既に無く、残された黄色が私に注意を促していた。
コース自体は、一般の教習所に比べて小じんまりした感じ。
踏み切りや坂道も探したのですが、何故か見当たりませんでした。
夜間照明のスイッチも、当然ながら二度と入る事は無い。
周辺の農地と共に夕暮れを過ごし、そして闇に消えて行く…。
田園風景の中で一体化しつつある教習所廃墟です。
名称以外の詳細は不明で、廃墟年齢は5〜10年ぐらいでしょうか。
一部の雑草は刈り取られており、別の用途で時々使用されているかも…。
ダークで重苦しい物件も廃墟らしくて良いのですが、
こういった屋外の広々した物件も時には良いものですね。
ただ青空でないのが心残り、再訪は…考えておきます。