2009/秋 訪問
KS工業
夜が明け、徐々に周囲が明るくなり始めた頃。
とある廃工場の門前に、一つの人影が姿を見せた。
「妙な造りの入口だけど、雰囲気は悪くないな…。」
モルタル&レンガを背景に、立派な銘板が存在を主張。
ちなみにスプロケットとは、チェーンを介して動力を伝える
歯車の事であり、主に自転車等で使われています。
入口から見た内部は、廃墟としては非常に完成度の高い造り。
ただし工場の造りとして見ると、何となく違和感を感じる様な…。
別方向には、瓦礫跡と共に雑多なゴミが散らばっています。
後ろの窓が割れており開口も大きい為、思いのほか陰湿な空気は無し。
雑多に見えたゴミは、何故か玩具や人形などに種類が偏る。
ゴミの代表格である飲食物の容器や紙くず、衣服類は見つからず。
コンクリートに絡まるのは蔦オンリーで、葉は無し。
というか、これは蔦というより根っ子のような…。
レトロなデザインの椅子が、薄暗い廃墟に良く似合っていた。
このレンガで出来た構築物は、何かを燃焼させる炉でしょうか。
歯車の焼き入れ用にしては、流石に規模が大きすぎる気がします。