そこそこ広いし悪くない浴場ですが、1Fの為に展望は無し。
熱効率やポンプアップの点を考えると、これは致し方ないところ。
見所の一つでもある大広間は、中々の荒廃っぷり。
畳が地雷原になっており、奥に進む事が出来ません。
繁忙期は、厨房もテンテコ舞いの忙しさに追われていたはず。
逆に閑散期は余裕のよっちゃんイカ、それがまさか廃業とは…。
ラーメンコーナーは無いけれど、そこは自販機でカバー。
夜食としてはリーズナブルですが、何だか少し物足りない。
ホテル付属のBarは、大抵が地階にあって窓も少ないので、
湿気により内装も傷みがちですが、意外とそうでも無かった…。
廊下途中のちょっとした空間で、鮮やかな緑の群生に遭遇。
外部からの進入ではなく、これは明らかに自生していますね。
厳しい環境のはずなのに、むしろ生き生きとしている謎の雑草。
今後どこまで侵略が続いていくのか、非常に気になるところ。
穏やかな海を目の前に、ひっそりと朽ち行く廃ホテル。
また忘れた頃に行ってみよう、いつになるかは分からないけど…。
とある浜辺において、偶然に遭遇した物件です。
周辺一帯は風光明媚な土地で、立地としては悪くないのですが、
そのぶんライバルも多い訳で、いわゆる負け組なのでしょうか…。
設備の規模や質感など、特に良くもなく悪くもなく、
これといった特徴の無さが、仇となった様に思います。
海に近い割に、外観は比較的綺麗でしっかりとしていました。
内装は、局地的に劣化が目立っていた印象です。
総合的に見て、10〜15年程度の廃墟年齢と推測します。
当物件に限らず、廃墟の屋内において自生する植物を
見掛ける事が稀に有り、その根性には常に驚かされます。
雨漏りによる水分、窓際の日光、室内の温度、
そして何処からか飛来した種子、これらの条件が上手く揃って
ようやく発芽となる訳で、確率としては相当に低いはず。
たとえ発芽出来たとしても、そこから成長するだけの
養分が有るのか…、そもそも地面は土では無いのに。
本来何も生み出さないはずの廃墟で起きた、小さな奇跡。
その行く末も、廃墟と同様に見守っていきたいと思います。