2011/春 訪問



ホテル あ○


突如として、廃墟の存在を強烈に予感させる看板現る。

別件で移動中の身も、これは流石に素通りできず

矢印の先へ吸い込まれていく私が居る訳で…。



結果としては見ての通り、看板に偽りなし。

地方に良くある、数棟のコテージが並ぶタイプのホテルです。




一番手前の管理人室は、想定通りの荒れっぷり。

ホテル廃墟は大抵が人里離れた郊外に在る為、

物盗りや若者のやんちゃも必然的に加速しがち。



かと思えば、以外にも客室の方は状態が保たれています。

設備自体は古臭いのですが、廃墟年齢は比較的浅めなのかも。




有りがちなホテル廃墟として、唯一の見所は風呂の窓ぐらい。

各部屋とも、異なる図柄のエッチングガラスが使われています。




和とも洋とも取れない、統一感の無い部屋…。





モーテルタイプの客室棟を、後から増設した模様。

過去、其れなりに儲かっていたという事なのか。




こちらの風呂の窓も、やはりエッチングガラスを使用。

汎用的な絵柄では無いと思うので、結構費用は掛かりそう。




爽やかな朝の風が、カーテンを静かに揺らす…。

夢の終わりを迎えた寂しさが、室内に溢れています。




部屋の中には、目の前の国道を走る車の走行音だけが響いている。

その車の運転手も、冒頭の矢印には否応なしに気付くだろう。

まさか吸い込まれないだろうか、無駄な心配をする私なのでした。





定番のホテル廃墟という事で、立地の悪さは付き物ですが

今回は一応国道沿いなので、立地については比較的ましな部類です。

現役当時は、ネオンで光る巨大矢印が、さぞかし目立っていた事でしょう。


廃墟年齢は、残置されたカレンダーから約15年程度と推定。

季節によっては雑草の繁茂が激しく、訪問は難儀しそうです。


三重県は陶器やガラス製品などの窯業が盛んであり、

当物件にエッチングガラスが多用されていたのは、

地場産業を活用した結果、というのは私の勝手な憶測です。

競争の激しいホテル業界の中で、差別化を図る為に

郷土・地元愛に満ち溢れた地域密着型ホテルというプロデュースも

私的には意外とアリなんじゃないかと思うのですが…。

勇気ある現オーナーまた起業家の方、チャレンジお待ちしております。




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