落ち葉が広がり森へと還りつつある敷地内。
所々に残る人工物が、余計に虚しさを引き立てます。
木々の中に踏切が見え隠れ、やっぱり此処は教習所?
都市型サーキットという変化球の可能性も。
建築物は写真のもの以外に平屋の車庫が一棟のみ。
錆びたトタンと枯れ木と緑、廃墟として定番の配色。
かろうじて受付と分かる室内ですが、目立つ残留物は無く。
此処にきて、ようやく決定的と言える物件情報が。
でもコース内の残留物からは教習所としか思えず。
こういった矛盾を考察するのも、廃墟の愉しみ方の一つです。
努力も根性も、まさに絵で描いた餅だったということ。
廃墟という結果が全てを物語っています。
耳を澄ましても、聞こえるのは木々のざわめきだけ。
込み上げる寂しさに包まれながら、
コースを只一人歩いていく私が居る訳で…。
前述のように、サーキット場なのか教習所なのか
どちらとも取れるような、妙な物件でした。
山中という立地で考えればサーキット場が有力ですが…。
場内の造りは、どう見ても教習所にしか思えません。
サーキット場が先で、晩年に教習所へと転用したのでしょうか。
廃墟年齢を示す材料は薄く、想定で20年前後といった所。
細かい残留物は有りますが、基本的には雰囲気を楽しむ物件です。
都会ならばいざ知らず、地方はまだまだ車社会。
エコカーや軽自動車が、減税を受けて飛ぶように売れています。
かたやサーキット場等の車施設は数を減らしており、
当物件のように廃墟と化す事もしばしば。
原因としては単純に不況や少子化が挙げられる他、
ドライバーの嗜好が変化している点も見逃せません。
昔は高性能のスポーツカーが若者に持て囃されましたが、
今はスペース・積載性重視のミニバンや、
経済性重視の軽自動車、エコカーを選ぶ人ばかり。
そんな彼らがサーキット場に向かう筈も無い訳で…。
時代の流れと言ってしまえば、其れまでですが。