2006/春 訪問



T局A研修所


伊豆の廃墟と言うと海や温泉に目が向きがちですが、

山にも意外と物件は在るものです。



林を抜けた先に、ひっそりと建っていたロッジ風建物。

周囲からの刺激は小鳥のさえずる声のみ。



聞く話によると、此処は林業関係の研修所とのこと…。

講義の内容は果たして、どういうものだったのか。

少し受けてみたいと思う自分が居る訳で。


一日に五回の授業+自習というタイムテーブル。

全部が座学だったら、ちょっと気が滅入る…。

日中は野外実習の授業が有ったのかも知れません。


研修生のお腹を満たすべく、腕が振るわれていた調理場。

場所柄、猪やキノコ・野草等の料理が作られていたのかも。



安っぽいテーブルにパイプ椅子の組合わせこそ、

古き良き食堂スタイルと言えます。



研修所の風呂に、飾り付けや遊び心などは不要。

一日の汚れと疲れさえ取れれば、それで充分なのです。



そして研修生達は、二階にある各々の部屋へと消えて行く…。




とりあえず今日の復習をするも、何となく気が乗らない。

同じ道を歩む者どうし、親交を深めようと

彼らは再び食堂へ向かう。


そこで始まったのは、何故かマージャン大会。

熱き者たちの真剣勝負は盛り上がりを見せたが、

22時消灯という意外な結末を迎える事となった…。




森の小道を進んだ先に、突如現れる研修所。

周囲には人家も何も無く、閑静な環境に研修も捗る事でしょう。

埃の堆積や室内の劣化等から、廃墟年齢は5年程度と推測。

ただし敷地は駐車場として使われているフシが有ります。


閉鎖の理由は詳しく分かりませんが、施設の老朽化と共に

林業人口の減少も原因の一つかも知れません。

農林水産全般に亘って後継者不足が叫ばれる中、

こういった育成施設の出番も減りつつあります。

自給率の低さが叫ばれる今こそ、稼働するべきなのに…。




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