建物内部は崩壊が進み原形を留めない状態。
残留物として、当時のものと思われる書物が有りました。
発刊年は1959年…、今から50年近くも昔のものです。
建物を出て周囲を散策していると、あちこちに廃車を発見。
この軽トラックも年代は分かりませんが古そうな感じ。
少し離れた位置に、トタンで出来た倉庫状建物があります。
こちらも崩壊著しいですが、規模は割と大きめ。
倉庫に残置されていたのは大量のフレコンパック。
鉱石もしくは廃土を入れるためのものでしょう。
フレコンには、この鉱山の麓にある会社名が書かれていました。
この会社で鉱石を製品化し、各地に出荷していたそうです。
更に歩を進めると、鉱石の露頭と思われる壁面が。
この鉱山は当初は坑道掘りで鉱石を採取していましたが、
途中から露天掘りに切り替えたと文献に記されています。
掘り出されたものの放置されっぱなしの鉱石。
時は過ぎて、また再び自然に還っていく事でしょう…。
この鉱山で掘り出されていた滑石とは、主にチョーク類や
化粧品等の原料、製紙の際の混ぜものとして利用される
硬度1の非常に柔らかな粘土的鉱石です。
伊豆の鉱山としては比較的最近まで稼働していた一○鉱山。
とはいえ、採掘をやめてから相当の年数が経過していますが…。
採掘停止の理由として、海外産の滑石が安く輸入されて
競争に晒された事が背景にあると言われています。
今も昔も、安い海外産との競争は厳しいものですね…。