2003/秋 etc 訪問



K トンネル


旧中伊豆町と伊東の境には山が連なっており、

冷川峠が明治末期に開通するまでは

このトンネルが交通手段として使われていたそうです。


こちらが中伊豆側の入口になります。

トンネルの上は切り立っているうえに岩盤が脆く、

いつ崩落が起きてもおかしくありません。


坑門部分のみ石造りとなっています。

間口は横方向に広めで、高さはちょっと不足気味。



このトンネルは明治初期に造られたものであり、

内部に照明設備などは全く無く、まるで洞窟のよう。

掘削方法も恐らく手掘りではないでしょうか。



内部入口付近の壁に彫られた家紋のような印。

このトンネル工事を請け負った職人のものだと思われます。



暗くて分かりにくいのですが、ここで行き止まりでした。

1978年の伊豆半島沖地震により崩落があったらしく、

入口からは10数メートル程しか進めません。


トンネルの前にあった小さなほこら。

ここが古道であることを思い起こさせてくれます。



恐らくここが伊東側の入口と思われる場所ですが、

先の地震により土砂の中に埋もれてしまったようで

場所を特定するのは非常に困難です。


夜の写真に見えますが、まぎれもなく昼に撮った写真です。

このトンネル周辺は鬱蒼としている故、曇天だと

まるで夜のように暗くなり、恐怖心を駆り立てます。




冷川峠も古い道といわれていますが、それ以上に

歴史を感じることができる此のトンネル。

車では到達できない山の中に在るうえに、

トンネルは崩落の危険を抱えているので

生半可な気持ちでは近付かない方がよさそう…。

廃墟というより遺跡といった感じでした。



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