流石に、かぶりつきの席ともなると、臨場感が凄そう。
ただ常連客がいつも居座っていて、空いてなさそう。
踊り娘の視点から客席を俯瞰、狭い室内が妙にリアルです。
酔客達の好奇な視線が集中する訳で…、強心臓が必須。
ステージを後にして、奥の各部屋は踊り娘達の控室と推定されたし。
普通に考えて、まず見る事の出来ないであろう空間です。
ステージ出演の時間割のようですが、下の方は意味不明。
ピンクはともかく、ソとか天とか良く分かりません。
オンボロな外観に比例して、内部も結構な廃れっぷりを見せる。
全体的に昭和の雰囲気が色濃く残っており、中々良い感じ。
各部屋は踊り娘達の控室兼、滞在中の宿舎でもあった模様。
テレビでお金を取るって…、宿泊費と考えれば安いけど。
踊り娘と共に各地の温泉街を渡り歩いてきた化粧箱も、
まさか此処でお別れとは、露にも思わなかった訳で…。
メイク室は妙にリアルで、準備中の踊り娘達の喧騒が目に浮かぶよう。
仲間でもあるし、ライバルでもあるという、何だか複雑な間柄。
天狗は何となく分かりますが、出張テープとは一体何なのか。
アンダーグラウンドな業界だけに、隠語も数多く存在する。
誰も上る事の無い舞台に、灯る事の無い照明…。
ストリップという文化の現状は、相当に厳しいようです。
>
別件で立ち寄った温泉街の、割と中心部に位置する建物。
明らかに周囲から浮いた、怪しい雰囲気を纏っていました。
メインは勿論ストリップ劇場ですが、側面に雑居していたスナックや
小料理屋も良い味があり、時間が無くて探索出来なかったのが心残りです。
ストリップ劇場の規模は、同様物件である愛知のミカワ座や
茨城の明○劇場と比較して、若干広いような気がします。
客席が残存していれば、席数で比較出来たのですが。
外観や内装から、昭和中後期辺りに営業を始めたと見られ、
幕を閉じたのは21世紀前後、すなわち廃墟年齢は
15〜20年ぐらいではないかと推測します。
大小に限らず、どの温泉地に行ってもストリップの
劇場や小屋が存在している時代が、確かにありました。
それは勿論のこと儲かるから営業している訳で、
当時は手軽かつ気軽に楽しめる性風俗として、
世間から認知され、また許容されており、
需要と供給のバランスが取れていたのだと考えられます。
それが今や、全国的に見ても営業している劇場や小屋は
数える程しか無くなってしまった、この体たらく。
原因は、風営法の改正やバブル崩壊等による世相の変化など
複数の要因があり、どれも方向性が変わる事は考え辛い為、
ストリップ業界は、もはや風前の灯とも言うべき状況です。
ネット全盛の時代だからこそ、実際の体験はより貴重なもの。
現存している劇場が在れば、今のうちに足を運んでおいた方が
良いかも知れません、消えてしまってからでは遅いので…。