2010/春 訪問
越○興業
日本地図では左程大きく見えなかった能登半島ですが、
実際に訪れてみると、想像以上に広くて驚きました。
今回は、そんな能登半島の片隅で見つけた廃墟を紹介します。
何かしらの会社、若しくは工場と思われる物件。
役目を果たさない玄関は静寂に包まれていました。
曇りガラス越しの薄い光が、ぼんやりと室内を照らす…。
当事業所の最低賃金は、時間当たり470円で日額3,760円なり。
月20日働いて75,200円という金額をどう思うかは、貴方次第。
作業場自体は残念ながらのガランドウ状態でした。
小型機械を用いた軽作業ラインが敷かれていたものと推測します。
かなりレトロチックな印象を受ける電光表示板。
この機械により、生産中の出来高は容赦なく晒される。
こういった運動は、名前が多少違っても基本概念は皆同じ。
要するに、安く速く上手く作れという事ですね。
敷地内には数棟の建物が有り、中には相当に劣化した建物も。
適度な崩壊に植物が絡む…廃墟としての王道といったところ。
パッと見で飼育舎を思わせる内部は、結局わりとガランドウ状態。
周辺を通る車は無く、聞こえるのは自分の足音だけ。
窓に積もった枯れ葉が、廃墟としての年月を物語る。
最果ての小さな廃工場は、今後更にその齢を深めていく…。
奥能登の廃線を探索中に、偶々見つけて立ち寄った物件。
小規模な工場で、生産品目は電線系ではないかと思います。
残されたカレンダーから推測される廃墟年齢は、約14年。
モノ自体は残っていませんが、年季は其れなりに感じました。
こういった奥地に立地する工場は、物流コストが嵩むため
今の時代に生き残るのは難しくなっています。
地域住民にとっては貴重な就職の受け皿なのですが…。
そして若者達は、職を求めて都会へと出ていく。
過疎化の一つの要因について、肌で感じた次第です。