2009/春 訪問
竹○農場
朝っぱらから茨城某所にて藪を掻き分けているのは誰だろう…。
煉瓦の廃墟が有ると聞きつけて本日は此処に居るのですが、
藪の中から突然に門柱が現れて驚きました。
さらに進むと、いよいよ姿を見せる煉瓦の建築物。
場違いな感は有りますが、廃墟としては良い雰囲気です。
外側の煉瓦は劣化が少なく、比較的綺麗な状態。
某配管工が活躍するゲームに出てくる、お城の外壁のよう。
建物内部は劣化も相当で、天井は吹き抜けています。
残留物は見当たらず、遺跡的な感じ。
一段落ち込んでいる、部屋と言うか空間と言うか。
建物の使用目的や廃墟化の経緯など、謎の多い物件です。
天井が無いため光も水もGETする事が可能。
結果、写真のように樹木すら生える自然の力恐るべし。
二階の床が落ち、あの窓はもう誰も開ける事が出来ない…。
錆に支配された扉窓は良い色加減をしています。
元々は一体どんな色だったのでしょうか。
爽やかな朝の空気と、歴史を刻んだ煉瓦建築のギャップ。
これこそが、私の描いていた光景です。
現役時代には決して見る事の出来なかった、内からの青空。
今後さらに時を重ねると、当物件は森に埋もれてしまうかも。
また其れは其れで一興なのかも知れません。
俗に西洋館とも呼ばれ、心霊的に有名な物件ですが
私には特に不穏な空気は感じられませんでした。
色々調べてみると、当物件は大正時代に建築されたもので
かなり高名な政治家が関わったと言われています。
建築から10年足らずで使われなくなったらしく、
廃墟歴は、ざっと80年以上という事になるでしょう。
建物自体は養蚕場の倉庫だったとも言われていますが、
それがどうして心霊スポットになるのか…。
面白おかしく心霊話を話した最初の一人も、
それが通説になるとは恐らく思っていなかった事でしょう。
人の噂と言うのは中々どうして面白いものですね。