2009/春 訪問
別荘ホテル 上○地
ホテルの廃墟は、本当に至る所で見受けられます。
今回の物件についても、周囲は田畑や山林で人の気配無し…。
立地としては下の中といったところか。
モテルだったり、カーテルだったり、旅荘だったり、
ホテルを意味する頭文字には色々な種類が見られますが、
流石に別荘ホテルというのは聞いた事が有りません。
入口手前にある管理人室は、相当の荒れ模様。
人為的うんぬんのレベルを超えてしまっています。
かろうじて得られた情報は、10の部屋数があること。(4,9抜き)
別荘を謳うからには、其れなりの施設に期待したい所です。
林の中に点在するコテージは、確かに別荘感が有りますが…。
本来の使命に対してはアピールが不足気味のような。
外観からして安上がりな雰囲気の漂う各部屋。
謎の巨大な丸窓が、当物件の数少ない特徴です。
ぽっかり空いた丸窓の外には、何の変哲もない林。
まぁ元々展望を売りにするような施設でも無いし…。
どの部屋も内部は大荒れで、現役時の面影は見受けられず。
周囲が林の為に、日当たりが悪く湿気易いのが諸悪の根源かと。
壁の材質に凝るより浴槽に凝ってほしいところ。
その他の部屋も、一般住宅と変わらない風呂場周りでした。
導入路も内部通路も狭い上に、各部屋の駐車スペースは高さがなく
背の高いミニバンの駐車は不可能と思われます。
車での来客が前提となるホテルで、この環境は如何なものか…。
正直なところ、訪問時の記憶が薄いホテルです。
長野の有名観光地の名がホテルの名称となってますが、
共通点は見受けられず、何故この名称か疑問が残るところです。
悪い立地と相まって、儲かる気配が全く感じられない…。
推定される廃墟年齢は、8〜12年といったところ。
一部崩壊が激しく、何れは全壊もしくは解体の道を歩む事でしょう。
この物件のうち、一番手前の部屋は林から少し外れており
他と比べて状態は良好のように思われました。
特に疑問も無くドアに手を掛け開いたところ…、
中のベッドで浮浪者が寝ながら新聞を読んでおりました。
お互いに固まりながら視線を合わせること約5秒、
私は、失礼しましたと静かにドアを閉めたのでした。