周囲に旅館が犇めく立地上、露天でも解放感は無し。

岩風呂の雰囲気自体は悪くないのですが。



廊下を歩いていて、ふと現れた非常灯と思しき残骸。

外して、割って、折り曲げて…、一体何の恨みが有るのか。



廃墟と化した後にプチ宴会が開かれた模様です。

空気の悪い廃墟内での飲食は、正直どうかと思いますが。



廊下の空きスペースを使って、それとなく和の演出。

見る人の居ない演出ほど空しいものは有りません。



大理石の柱にランプ調の灯りと、こちらは洋風。

外観と同じように内部も統一性は薄いようです。



大広間での一点透視図による撮影は、宿泊系廃墟のお約束。




地デジ化が終了した今、あの鹿は何処へ消えてしまったのか。

もう二度と姿を見る事は出来ないのでしょうか。



沈む寸前の傾いた日射しが、室内を必死に照らしています。

数分後、日射しの消えた室内は陰と同化し

これから昏く永い夜の始まりとなる…。



某温泉地にて旅館群にひっそり混じっていた当物件。

経年劣化よりも人為的な破壊が多く、判断し辛いのですが

廃墟年齢は8〜10年ぐらいでは無いでしょうか。

規模としては中規模で見所も其れなりでしたが、

物件としての特徴は見出せませんでした。


おそらく現役当時もそんな感じで個性が薄く、

一度は泊まってもリピーターは少なかったものと思われます。

其のうちに施設の陳腐化、古臭さが目立つようになり、

客足の減少と改修費用のダブルパンチに耐えきれず、

結果として今に至るというシナリオが想像されます。

観光地なら黙っていても客が来る時代は過ぎ、

同様の状況で廃業していった物件は数知れず…。

客商売には長期的な視野が必要だと、改めて感じる次第です。



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