2008/夏 訪問
白○○学園
全国各所で見られる、建築途中で頓挫した未成物件。
完成図は頭の中で想像する他ないと言う訳です。
コンクリートこそ綺麗に見える状態ですが、
周囲の植物は相当に成長しており
放置された期間の長さが伺えます。
窓枠あれどガラス無し。まあガラスが有ったなら
120%割られるだろうと予想できますが…。
正面入り口付近は妙に素っ気ない印象。
少なくともホテルでは無さそう。
無地のコンクリート壁は、ペインターの格好の餌食。
奥行きはありませんが、横に長い建物。
自分の足音だけが空ろな館に響く…。
マンションと違い、一つ一つの部屋がかなり大きめ。
教室と考えれば学校説も頷けます。
窓部分が大きいため、上階に行くほど明るい状況に。
爽やかな風が吹き抜ける心地良さこそあれど
心霊的雰囲気は微塵も感じさせません。
一つの建物を造るには幾人もの人間が関わる。
果たして彼らは此の結末を想像出来ただろうか?
蔦の足掛かりという役目を得た建物。
意味を失った建物に課せられた、第二の使命…。
早足で駆け抜けた真夏の記憶。
外観的に見て面白味に欠ける物件ですが、
予想に違わず内部も此れといった特徴は無し。
コンクリートの色に、もう少し味が出てくれれば…。
建築途中の物件を見る度に思う事、それは関係者の無念。
時間や労力を消費してようやく形になってきたモノが、
全くの無駄になる…、こんな虚しい事はありません。
資金ショートにせよ、認可が下りないにせよ、
それは実際に建物を造っていた人には関係ない訳で…。
給料さえ出れば良いと思う向きもありますが、
それでは納得できない!と一人憤る私なのでした。